まぁ「何を」のところは概ね予め決まってるわけです。
そうじゃないことももちろんあるけれど、音楽だとほぼ決まってるはず。
そんなはずはないはず。
あ、すいません、ビブラストーンズのビッグファンだってアピールしたかっただけなんす。
例えば楽器演奏家なら楽器をどうするかってことだろうし、
大きく言っちゃえば、音をどうするかってことでしょう。
で、語法が決まってる場合はそれに則った方法で制作しますわな。
三枚におろすわけですな。
あ、すいません、R.I.P. 米朝師匠ってことで。
タレントさんで、体の大きい人いますよね。
何かコメントを振られると、すべてデブ関連の内容で応えますよね。
あれはどうするかってところが決まってるので、何がに当たるのは何でもいいんです。
方法論が決まってると楽ですね。
いや、ネタが切れたりするかもしれないし、強引にデブアピールしなきゃなんなかったりと、
それはそれで大変なのかもしれないので楽じゃないかもしれません。
なんだか話が逸れてしまったぞ。
まぁ何が言いたいかというと、
イグイグは内科医、じゃなくて毎回、「何を」も「どうする」も違うんですよ。
つまり、毎回何をどうするかを考えなきゃいけないのです。
辛い。からいじゃないよ。
辛いアピールをしたいんじゃなくて、毎回違うことやってる弊害として、
何をやったか忘れてしまうという事態が起きるんですね。
忘れないとやってらんないって話がありますが、まあ置いといて。
だから、覚えてるうちに何をやったか書いとくのがいいんじゃないかって。
そうしたほうがいいよ、ってあったかい助言を頂いてもいたのです。はい。
そりゃもっともだと痛感しながらも、怪獣ズボラが登場するのであります。
即興演奏家は瞬間瞬間に生きるもんなんだからアーカイブなんて…
なんて言い訳はほんとに言い訳でしかないので、
今回からちょちょっと覚えてることを書き留めておきます。
書き留める、ってなんかいいね。書いて、留めるんだもんね。
そっとお気に入りの布でくるんで、大事に仕舞っておく感じ。
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前日に鈴木さんからメールでテキストピースを2曲やると連絡あり。
何のテキストかは知らない。聞かない。
だいたい何をやるかは当日のリハで判明。
メールもらった時点で何をやるかはまだ未定、やりたいこともなし。
そうそうね、やりたいことなんてありませんよ。
毎回考えて考えて、ポコっとアイデアが出てくる。
アイデアが出て来ても、それを形にしなきゃいけない。
形にならないのならボツ。
決め手を欠くのもボツ。
そうこう試行錯誤重ね、これでいこうって決意固めるのが、当日、しかも数時間前。
鈴木さんがずっと喋ってるってのがわかったので、
そのテキストピースに設定と構成/構造を付与するというアイデアを思いついた。
そこからまた難産。
そしてついにとうとう、精神分析スタイルという設定を思いつく。
私がソファーに座って、横で鈴木さんが私に向かって喋ってる。
当日知ったのだが、鈴木さんが選んだテキストがジョン・ケージだった!
ヒューズが飛んだ私にケージを聞かせるなんて(笑)
しかも「作曲を回顧して」ですよ。
私のOSはケージによって作られたと言っても過言ではないので、いやはや。
こういう偶然というか、出会いってあるんですよね。
今までのイグイグでも、お互い何をやるか知らないのに、偶然のハーモニーってのが。
あ、今回のタイトルが「ヒューズが飛んだ」なんですが、
タイトルからアイデアが出る場合もあるけど、今回は違います。
だからヒューズが飛んだ私に…てのは、こじはる、じゃなくてこじつけです。
そんで座ってる姿勢を変えることでセグメントを作る。
途中、何かを思い出したかのようにor夢の世界の出来事みたいに、ヴァイオリンを弾く。また座る。
あ、急に話戻してすいません。これが一曲目でした。
ヴァイオリンで何をやるかは決めてなくて。
まぁ、楽器構えたら何か弾けるだろうぐらいの感じで。そしたら、
l-eに向かう電車で江崎さんのツイートに、即興演奏をはじめて今年で20年って書いてあって。
同じ内橋和久さんの即興演奏ワークショップに参加していたので、私も20年になるんだなーと。
そのワークショップは、新入りにソロ演奏をさせるのだけど、そんな情報知らなくて。
そこで私が思いついたのが、その頃インド音楽をよく聞いてて、
それで覚えてたモチーフに基づいて演奏したんだすな。
ってことを、ヴァイオリン演奏直前に思い出したので、20年ぶりに再演してみたんです。
超レアですね。次はまた20年後かな。聞けた人ラッキーです。ラッキーって思ってくれたは別の話。
鈴木さんの演奏時間が30分くらいって聞いてたのに小一時間かかってたから、
ありがとうございました、と言い残し退出。
鈴木さん全て読み上げた所で、演奏終了。
2曲目の設定は記者会見スタイル。
鈴木さんがスピーカーでそれを聞いた私がパソコンをカチャカチャ音出してタイピング。
あれ、ネットとかでたまに見たりしますが、記者がカチャカチャうるさいったらありゃしない。
カフェとかでも、パソコン君の隣には座らない。うるさいもんカチャカチャ。
俺もクチャクチャいわしてパンとか食ってやろうか。
失礼しました。
で、予めそれしか決めてませんでした。何とかなるかなと。ははは…
実際のところは、でたらめにタイピングして、カチャカチャ音させて、
あ、自動スピーチってのがあったと気づき、読み上げてもらう。
これ、アルファベットしか読んでくれないんですね。
で、転がってたビートを流し、クラブテイストを加味。
iTunes開いたら、私のセグメンツ・ストリング・カルテットのアルバムが飛び込んで来たので
『bowing』という曲を再生ぶっ込む。おお、コラージュ。いや、リミックスや〜
そんでビート消して、ヴァイオリン持って、私もbowingを演奏。
ヴァイオリン演奏やめて、bowing音源だけ残ったところで鈴木さん終了。
フェードアウトにておしまい。
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とまあ、こんなところですか。
読んでもわかんないですね。長いから読まないかな。
見てないと読みづらいかもだし。まあ美貌、じゃなくて備忘録ですんで。
といっても書き忘れもあるよね。おそらく。
それに、鈴木さんが何をどうしたかはあまり触れてないし。てか、わかんない。
イグイグは短いスパンで、うんうん唸って考えに考えて毎回捻り出してるので、
終わった後に「あれは何だったの?どうしてあれなんですか?」
とか質問されるとすっごい嬉しいです。
逆に何も言われない日にゃ・・・涙
もちろん、ここに書いたのは何をやったかってことだけで、
それを見た/聴いた/感じたお客さんは全然捉え方が違うだろうし、
これを読んで、そういうことだったのかと、思うんじゃないでしょうか。
冒頭に、何をどうするか、って書きましたが、
その背後には意図なり価値感なりがあって、それが具現化されているわけです。
これを読んで作者の意図がわかるかもしれないけれど、意図が全て正解なわけでもないし、
一粒で二度美味しいって感じで味わえばいいんじゃないかと思います。
現場で感じたものと、これを読んで感じることと。
まぁ、謎が解けるって遊びもあるかもしれないけれど。
l-eのウェブサイトに写真が掲載されてました。
これで少しは伝わるでしょうか・・・次は動画も録ってみる?え?いらないって?
http://www.l-e-osaki.org/?m=20150418
次回イグイグは、6/6(土曜日)です。待ってます!
6/6(土曜日)
イグノラムス・イグノラビムス ミュージック Chapter 25
『stir sugar into coffee./コーヒーに砂糖を入れてかき混ぜる。』
開場/19:30 開演/20:00
料金/1500円+1ドリンク
開場/大崎l-e http://www.l-e-osaki.org
Ignoramus et Ignorabimus musica
We do not know the music and we will not know it.
我々は音楽について何も知らないし、この先も知りえることはないだろう。飛んだ
出演:
木下和重 violin etc.
鈴木學 electronics etc.
今回から、violinって表記を外そうかとも思ってます。