くだらない更新なら携帯からちょちょいとできるんですが、
ちゃんと書こうとか思ってしまうと、このざまですよ。
ちゃんとなんてそもそもできないんだから、
そこそこでとりあえずこなしていけばいいものを。
じっくり書けば良いものができるんじゃないかと思ってる浅薄野郎な私に、喝!
というわけで、
先週の日曜日、
第二回セグメンツ・セミナー「セグメンツ的ジョン・ケージ 〜沈黙と構造〜」
を開催しました。
いやはや、事前の準備でも、自分の浅薄さ加減に呆れましたわ。
今まで散々調べてまとめて形にしてきたんだから、
それをちょいちょいとセミナー用のフォーマットに変換すればいいものを、
「まだまだやり残してることがあるはず」
「もっと調べればわかりやすくできるはず」
「他に面白いネタ、切り口があるはず」
とまあ、はずはずはずはずと、葉月里緒菜もびっくりですわ。
とどの詰まりデッドラインが迫ってきて、
「うわ、まったくまとまってない…」
「どうしよう。間に合うのか…」
と焦る。そして、
「ケージの構造概念を一回で説明できるわけねえじゃん!」
っていう問題が持ち上がり、
「そんなの予めわかってたでしょ!」
というツッコミを自分に入れ、
「何回かに分けりゃいいか」っていう当たり前の結論で納得。
というわけで、
今回は偶然性に入る前まで、
年代的には1950年ぐらいまでを扱うこととしました。
構造的にはここまでがリズム構造と呼ばれるものが採用されており、
偶然性が導入されると、また事情が変わってきますので。
年表を傍らに、リズム構造が登場した背景とその意味をおしゃべりしていきました。
楽譜を見ながら曲を聴き、実際に構造を確認したりして。
あと、やっかいな沈黙の問題を。
この沈黙が、最も交通整理が必要なものなんですよね。
加えて、4'33"に見られる戦略なども。
ジョン・ケージは誰もが知ってる超有名人。
それだけに、情報が錯綜して誤解してるひとも結構いる。
ちょっとそれは違うでしょ!みたいな発言や文章を見かけることがよくある。
もちろん各々の解釈があって良いんだけど、間違ってちゃ話になんない。
ケージの作品や考えを所々しか知らないもんだから、
無理矢理話を作っちゃっておかしなことになっちゃう。
彼の音楽実践を全体像で捉えてから各論を語らないと、
やっぱこんがらがるだろうし、わけわかめになるでしょうね。
なので、このセミナーではそこんとを整理して、議論が混乱しないように、
できるだけわかりやすく、ケージの音楽についておしゃべりしていこうと思ってます。
おかげさまで、参加して頂いたみなさんには、
「わかりやすい!」
「なんでケージがこういうことしてるのかわかった!」
「沈黙、構造について理解が深まった!」
といったお言葉をいただきました。ありがたや。
おっと、通販番組みたいになってしまった。
しかし、セグメンツ的ジョン・ケージとしては、リズム構造がまず前提であって、ここからがいよいよ本題なのです。ケージは偶然性以降、構造は消えてプロセスが残ったって発言をしてますが、構造は消えてません。むしろ、強固なものとして存在することになるのです。それは、ケージが自ら採用した偶然性/不確定性のシステムに内包されていたものであり、それらが導入された時点で発動されたのです。
セグメンツとは、その構造に焦点を当て、時間的記譜法を用いて音楽に留まらない様々な形態による作品を制作、それを聴き手の知覚を含めた「音楽経験」として包括的に捉えたプロジェクトなのです。そう意味において、ケージの出した問いに対する私なりの回答と言えるかもしれません。なぜ構造なのか、ってーのは次回のお話ですね。
いやあしかし、終わってからの談笑が白熱した議論になってて面白かったなあ。みなさんの、ケージっていい加減だよねとか、問題提起しかしてないよね、逃げてるよね、ケツ拭いてないよね、新しいもの好き、素直でいいやつ、とかなんとかぶっちゃけトーク。楽しいのなんの。もちろん彼の業績を認めてのことですけどね!ほんとお越しいただいて、ありがとうございました!
というわけで、
次回、第三回セミナーの日時が決まりましたらお知らせしますので、
みなさまのご参加お待ちしております!!
と、その前に・・・・
次回のセグメンツ・プロジェクトの告知です。
新年一発目。日曜日ですよ!!
出し物は大好評、セグメンツ弦楽四重奏です!!
2010年1月31日(日曜日)
Segments Project vol.8
SEGMENTS STRING QUARTET + ゲスト
出演:
木下和重
千葉広樹
公文南光
池田陽子
日時:2010年1月31日(日曜日)
場所:千駄ヶ谷 loop-line
詳細未定